『世にも奇妙な物語25周年!秋の2週間SP~映画監督編~』が放送されていたので見ました。
どれもすばらしい出来でしたが、秀逸だったのが妻夫木聡さん主演の『幸せを運ぶ眼鏡』です。
節約、投資、セミリタイアなどを目指すものにとっては、考えさせられるところがありました。
話は変わりますが、今回のSPは映画監督が撮っただけあって、いつもの世にも奇妙な物語とは違いました。
まず主演が全員、本職の俳優・女優というだけあって、演技がうまく引きこまれます。
脇役もよく知らないが演技のうまい人ばかりで、よくある学芸会ではないのも良かったです。
やはり芝居はプロにやってもらいたいですね。同じように声優も本職にやってもらいたい。タレントがやっているのは見てられない・・・。
さて、気になるストーリーはというと。
妻夫木聡さん演じる村上涼太(むらかみりょうた)は独身、彼女なし。休日は家でDVDを見るなどお金を使わず、貯金も溜め込んでいる模様。
ある日、マッチングサイトに登録した涼太は、山本美月さん演じる三浦あゆみとデートをすることに・・・。
そしてデート当日、デートの仕方もわからない涼太のもとに、『Happy Glass(ハッピーグラス)』と書かれた箱が届きます。その眼鏡は、ウェアラブルライフサポートアドバイザー通称『ウェルサ』という知りたい情報をアドバイスしてくれる幸せに導く眼鏡だったのです。
AIであるウェルサの助言に従い、デートは成功。常にカンニングをしているようなものなので、ウェルサのおかげで仕事も恋愛も順調です。
ついにあゆみにプロポーズをする時に、なんとウェルサの存在が彼女にバレます。私は眼鏡じゃなくてあなたと恋がしたかった・・・というピンチに涼太は眼鏡を踏んで壊してしまいます。
後日、あゆみに眼鏡なしでプロポーズし、見事OKをもらいます!
ところが・・・それもすべてウェルサの機転で、眼鏡を壊すように指示したのもウェルサで、その際に涼太はコンタクト型デバイスのウェルサを購入していたのです。
そして、コンタクトウェルサのおかげでプロポーズもうまく行き、見事結婚したのでした。めでたしめでたし。
ところが、本当のオチはこれではありません。
『我がハッピーグラス社が開発したウェルサを貯金額1000万円以上の方々を対象に試験運用したところ、全ての被験者が前年比500%以上の消費活動を行ったという結果がでました。ユーザーが商品を選ぶのではなくユーザーをどのように誘導して商品を選ばせるかが重要なのです。』
そうです。涼太はハッピーグラスに乗せられて、消費をさせられていたのです。
思えば、デートでフェルメール展を見に行き、高級フレンチでワインを飲み、車を買い、家まで引っ越しているようでした。見ているときから、お金はどうしてるのか?と感じていましたが、まんまと消費させられていたのです。
結婚式の会場もウェルサに勧められるままに、気づかぬままにスポンサー企業のホテルを選ばされています。
まあ、ステキな美女と結婚できたので結果的には幸せなのだと思いますよ・・・。
さて、ウェルサではないけど、世の中はお金を使わせよう使わせようとしています。
涼太のようにお金を使わないと、周りの人が「何が楽しいの?」や「みんながそうだと経済が悪くなる」などと言ってきますし、いい年をしてクルマもないのか、結婚しないのか、家も買わないのか、などとプレッシャーをかけてきます。
でも、そういうのって、シラネって話です。
欲しいものがあれば買えばいいし、使えばいいと思うけど、別段そうでもないのに何かにそう誘導されているのなら、馬鹿馬鹿しいってこと。
シュールな物語のおかげで、自分の消費行動を見つめなおすことができました。しかし、ウェルサのような究極のステマって怖いですなあ。