今年1年ウォッチしていて、中学受験の現実を知りました。1年間受験に燃えていた(炎上していた?)Aさん家の中学受験もようやく終わりました。関係ありませんが、最近の中学受験は試験日の当日の夜にはもう合格発表がされるんですね。ITの進化を感じてしまいました。
私は子供がいないので実感がわきませんが、結婚してすぐに子供ができていたらそろそろ小学校の高学年になろうかという頃です。なので、Aさんちの中学受験事情はすごく参考になりました。同じような立場の方の参考になれば幸いです。
これまでの経緯はこちらです。
Aさんちの中学受験の結果は?
さて、結果ですが・・・全落ちです。
受験した学校すべて落ちたんですよ・・・どう思います?正直、子供が不憫でならないです。失敗体験として、将来のトラウマにならないか心配です。
小学生のときなんて精一杯遊んでおいて、ゲームも飽きるまでやっておけばいいものを、1年どころか2年間も勉強のため遊ぶこともできず、結果がこれです。本来なら健康で活動的な時期にサラリーマンが必死に働いて、やっと定年したら健康もなく趣味もなく、毎日むなしい・・・そんな感じですよ。
しかも、中学入試って基本平日にやるんですね。だから、学校を休んで行っているので受験していることは周りにまるわかりで、落ちたら冷やかされたりして精神的につらいものがあるようです。特に受験に必死で学校をないがしろにしていた人ほど・・・。
幸いAさん家の子は「親が学校なんて行かなくて良い」と言ってもちゃんと試験日以外は通っていたようです。心無い人にからかわれたりして辛いことがあるかもしれませんが、ここは乗り切って欲しいです。
中学受験で気をつけなくてはいけないこと
中学受験をしている様子を横目で見ていて、親の行動がはなはだ疑問でした。岡目八目、囲碁と同じように当事者よりも横で見ている者の方が冷静にわかることがありますので、中学受験するなら気をつけなければいけないことを書きます。ただし、親心は無視して書くため、受験当事者は癇に障るかもしれませんので読まないでくださいね。
最終的にはどうなって欲しいのか今ではなく未来を見る
まず大切なのは、最終的に子供にどうなって欲しいかです。進学校に行って、東大や早慶に入ってもらいたいのか、大学の付属校に行って、受験はもう終わりにして、のびのびさせたいのか。
子供の性格や性質によっても変わってくると思います。最終的にソコソコ名の知れた大学に行ってほしいのに、進学校でもなく、付属校でもなく、よくわからない私立に行くのなら、それは私立に行かせたいだけで本来の目的を見失っています。
一度、原点に帰って、なぜ受験させようと思ったか考えてみた方がいいですね。
塾の言うことに騙されないで
塾というのは生徒のために発言しているようで、結局はビジネスです。日能研やSAPIX(サピックス)みたいに生徒がたくさん来て、ふるいにかけるくらいの塾なら違うかもしれませんが、普通は生徒に辞められたら困るわけです。だから、あの手この手で引きとめようとします。
夏に伸びるので夏までがんばりましょう。
○○だったら、80%以上合格ですよ。
など、調子の良いことを言ってきます。でも、自分の子と同じように他の子も伸びるのでよほどがんばらないと追いつけないですし、80%以上とか言っても100%とは言わないので何とでもなります。
塾関係者にももちろん熱心な人はいると思いますが、一般的に中学受験では信用ならない気がします。同じようなのは、例えば不動産業者とか証券会社とか銀行員とか・・・なんとなく言いたいことわかりません?
結局、Aさん家はイマイチな塾に乗せられて、その気になってしまったのが敗因だと思います。塾よりも親の方が子供のことをわかっているべきで、塾任せにするのは最低ですね。
公立をディスってはいけない
どうして中学受験をするの?と聞くと、明確な回答ができない人は、地元の中学は荒れているからとか、公立の教師は熱心ではないからとか、その気はなくても公立中学をディスっていることがあります。これって公立に行こうとしている人や親が聞くと、いい気にはなりませんよね。また、小学校の勉強はどうでもいい、なんて塾優先の発言も厳禁です。
いざ、受験に失敗した時に、ばかにされたり、えらそうなことを言ってたのに・・・、などと陰口を叩かれ、是が非でも私立に行かなければいけないと追い込まれてしまい、聞いたこともないような2流、3流校まで受ける羽目になります。結果、公立の方がマシだった・・・となりかねません。
受験に失敗したら、その後は自分もお世話になるのだから、決してディスってはいけません。何も良いことありませんよ。あと、本当に学区がそんなに悪いなら引越しも検討した方がいいのでは?
プライド(特に子供のプライド)を守ることを考えて
受験は成功すればいいですが、失敗すると親も子供も傷つきます。小学校受験なら落ちてもあまり記憶に残らないでしょうし、大学受験はもう大人だし浪人という手もあります。でも、中学受験は、自意識もあるし、たいていは親のエゴが作用しているので子供が犠牲者になる可能性もあります。
だから、うまく逃げ道を考えて志望校を選ぶことが大切です。例えば、受かったらラッキーくらいで無理めな学校を受けてみるだけにする。通学しやすい近所に良い私立中学があったので受けてみることにした。そういう理由なら話を聞いた人も納得すると思います。
でも、節操もなくいろんな学校を受験し、私立だったらどこでも良いの?という具合だと、落ちた時にプライドが傷つきます。嫌な話ですが、どこにも合格しないなんて・・・と、親が子供のことをバカだと思ってしまわないか心配です。
子供が自信喪失して、勉強嫌いになったり、自暴自棄になったりすると、何のための受験だったのかって話です。
親の見得のための受験は何よりも無駄
受験をするからには何かしら理由があると思います。
子供がやりたいというから。
子供の成績が優秀で受験させてみたらと勧められた。
基本的にはこのどちらかが多いと思います。ところが、親が私立への進学を希望している、というのも多いです。親が医師で子供にあとを継いでもらいたい、というのならわかりますが、サラリーマンだったりすると何のためでしょうか?単に親の見栄だったらやめた方がいいですね。
特に子供に過剰な期待をして、慶應や早稲田の附属を受けさせると息巻いている場合は、両親の学力も少し考えた方がいいです。遺伝というものがありますので、子供にだけ過剰な期待をするというのは酷というものです・・・。
裏話 親の経済力も関係あるよ
ところで、身も蓋もないない話をしますが、小学校、中学校受験だと親の経済力も関係があります。
これは某有名私立にお勤めの方が言っていましたが、学校にとってもっとも大事なのは「学費をちゃんと納めてくれること」です。親の経済状況が悪くなったからといって、子供を退学にさせるのは忍びないし、かといって経営も成り立たないし、絶対に避けたいことです。学校も学校法人だということを忘れてはいけません。
なので、共働きで必死に両親が働かないと授業料を払えないような家庭と有名な大企業に勤めている家庭とが同じような点数だったらどうしますか?もちろん合格するのは後者です。子供の成績ではなく、親の経済力で不合格になっている可能性もあるんです。
だいたい私立中学は年間100万円も学費がかかりますが、きちんと払えますか?その学校にそれだけのネームバリューはありますか?3年間で200万円かかる塾代もそうですが、それだけのお金があれば旅行に行ったり、もっと楽しい思い出が作れたのではないでしょうか・・・。
まとめ 私が子供に中学受験をさせるなら
まず田舎出身で小中高と公立のワタシには、私立の価値もわかっていません。むしろ、中学校までが選抜されずに入ってくる最後の多様性ある社会で、偏差値30~70までいるし、いろいろな親、職業が集う最後の混沌ワールドなので、良いか悪いか社会勉強にはなる、と思っています。
万一ですが、今後子どもができたとして、中学受験をさせる気なんてさらさらないのですが、子供がどうしてもやりたいと懇願してきた場合はこうします。
・受験するのは本当に行きたい1校だけで、落ちたら諦める。
まあ、練習のためにもう1校くらい受けてもいいですけど。もし落ちてもあまりダメージは残らないと思います。むしろ高校入試でもう一度チャレンジしてみる!、となればいいですね。
・進学校かある程度の大学の付属校。
中学で受験が終わって、高校生活をのびのびと楽しんで青春するのはアリだと思っています。むしろ自分ができなかっただけに羨ましい・・・。なので、どうせなら上がついているところがいいですね。また、進学校みたいなところで勉強するのも悪いことではないでしょう。
ただ、附属でもなければ進学校でもない、私立ということだけがとりえみたいな中途半端な学校なら行かない方がマシです。
・鶏口となるも牛後となるなかれ。
牛の尻尾より鶏の頭になるべき。つまり、無理目の学校で落ちこぼれになるより、二番手で上位にいる方が良い。自信を失うのは恐いことですよ。
・やるからには本気でやらせる。
高いお金をかけて受験したいと言い出したからには本気を出させます。1年間はゲームなどもさせないし、間違えた問題はできるまで復習させます。あと、小学校の勉強はできて当然の状態にさせます。
・・・これ、Aさん家の反対なのですが、受験生の割に夏休みはキャンプに行ったり、ゲームを買い与えていたり、どこまで本気なのかわかりませんでした。親も子供も真剣でないなら、合格は難しいでしょう。
まあ、あくまで受験したいと本気で子供が願ったらですけど、こんな感じでやらせると思います。参考になるかわかりませんけどね。